蟹を茹でる

カニ @uminosachi_uni の雑記ブログです。好きなもののこと何でも。

【手芸】コアラのミニかばん

てきとう手芸、第2弾をやりました。
コアラモチーフのちいさいかばんです。

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第1弾はこれ↓

なぜか有袋類しばり。


【材料】

  • グレーのフェルト
  • 好きな色のフェルト(内布用)

セリアで買った。手芸店でもいいし、衣料品売ってるようなスーパーにもあると思う

  • 焦げ茶のバッグの持ち手

セリアの手芸用品コーナーにあった、手作りトートバッグ用の持ち手。焦げ茶で皮革っぽい見た目で、木の質感が再現できそうだと思ったので。
てきとうなベルトとか持ち手用のテープでもいい

  • 黒いフェルト(目と鼻用)

※今回はバッグの持ち手の切れ端が余ったので、目鼻用に使い回しました

  • 綿

これはセリアになかったんで近所のスーパーで探しました。

  • 手芸用ボンド

縫うより手軽で便利。「裁縫上手」とか「クラフト上手」とか色々ある

  • 裁縫用具セット

中学時代のやつ。

ぜんぶで750円くらいかかった。ただし綿とボンドは使い回せる。

【手順】

①「コアラ ぬいぐるみ」「コアラ つかまる」などでGoogle検索し、コアラに対するモチベーションを高める

②メモをとりながらどんな形としくみにするか考える
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③メモを参照し、フェルトをカットする。大ざっぱに「こんなパーツがいるかな?」と考えつつフリーハンドで切った。胴体部分はフェルトを二つ折りにして切れば左右対称になる。
几帳面な方は型紙作ってからやってください

ちなみにパーツ

  • 胴体(側面)の外布×2
  • 胴体(側面)の内布×2
  • 胴体(底)の外布
  • 胴体(底)の外布
  • 耳×2
  • 目と鼻

④縫う&貼る
外布と内布を重ねて端をかがる。
胴体の左側面と底、胴体の右側面と底を縫えば最低限かばんっぽくなる。コアラの腕部分も縫ってつなげる。
顔は大きめ(直径が出来上がりサイズの2倍くらい)の楕円形に切ったパーツの端をぐるりと並み縫いして、中に綿を入れたら糸を引っ張り、縫い縮めるのがかんたん。
耳を縫い付けたら少量の綿を丸め、ボンドで耳にくっつける。目と鼻はボンドで貼る。
頭と胴体を縫いとめる。

ちなみにボンドの接着を強くしようとアイロンを当てたら、フェルトが若干溶けました。当て布しないと溶けるんですね。

⑤持ち手をつくる
持ち手パーツをコアラの腕に通す。いらない所は切って、パーツの端同士を縫い合わせて輪にする。金具で留めるやつなら縫わなくていいので楽かも

【感想】

  • これアイデア出しの時間がいちばん楽しいかもしれない
  • 今回は実作業に2時間半かかった。手縫いはやっぱり時間がかかる。ミシン使えばもっと早いはず
  • 平たくないものを縫うのってちょっと難易度上がる
  • 今回は頭と胴体を縫い合わせるのが難しかった。テディベアの作り方とか参考にすればいいのか
  • 思ってたよりはかわいい感じになり、枝にしがみついてる感じも出たのでわりと満足している。細部の雑さは見逃してほしい
  • 手に入ったフェルトをもとにサイズを決めたので、全然ものが入らない。ビニール袋かエコバッグくらいなら入りそう

今後も何かつくりたいです。

世界を知り尽くすことはできない

※本記事はnoteから移植したものです。


知ることのない土地のはなし

旅行中、知らない駅や、あるいは高速道路の出口を通過するとき、ふと「たぶんここへ降り立つことはずっとないのだろう」と思ったりする。

きっと私には、一生行かない場所がたくさんあるだろう。

日本だけに限っても、行ったことのある場所より、見も知らぬ土地のほうがよほど多いのだ。


それはどれだけたくさん旅をしても変わらない。むしろ旅をすればするほど、世界の不可知性は強調される。

旅の経験は、土地に対する解像度を細かくするからだ。


「日本一周」「47都道府県全てを訪れて観光する」くらいの粗さでよければ、まだ実現の目はある。

だが、同じ長野県内でも松本と長野では全然別の街だ。
都道府県をめぐっただけでは、日本の土地を知り尽くしたことにはならなそうである。

かといって「日本中の全ての市区町村を訪れる」「全ての集落を観光する」となると、生身の個人にはほぼ不可能だろう。

たとえ凄まじい根気と労力で実現したとして、それでも目にしたことのない場所がいくらでも残る。

同じ町でも、山のほうと団地のあたりと駅前では全く雰囲気が違うなんてことは当たり前にある。町のどこかに訪れただけで、その町の全てを見たことにはならない。



どれだけ知ろうとも、全てを知り尽くすことはできない。
いくら街を訪ね歩いても、どれだけ本を読んでも勉強しても。

私が一生のうちに知りようのない世界がいくらでもある。

一度も行けないまま終わる場所や、出会わない人がいくらでもいる。


それは壮大な絶望感や寂しさをもたらす。
海を眺めて自分がちっぽけに思えてくるのに近い。


一方で、なんかそこには希望もありそうな感じがするのだ。

どれだけ好きなものをコレクションしても全てを集め終わることはないし、どれだけ読書に耽っても読んだことのない本はなくならない。

いくらでも新しく訪ねる街があり、たぶん死ぬまでずっと初めての経験ができる。

自分次第で終わりがないという希望。

いつでもいくらでも胸を貸してくれる、めちゃくちゃ強くて絶対倒せない師匠と組み手しているような気分だ。
征服はできないけど、ちょっとずつなら強くなれるし、新しい発見も毎回ある組み手。

そんな感じで生きていきたい。

【手芸】フクロモモンガの袋物

フクロモモンガって、モモンガとは全く別種のいきものなんですね。
どっちかというとカンガルーやコアラに近いんだそうです。「フクロ」ってついてるだけあって、 有袋類ですしね。


……。


…………。


フクロモモンガの袋物が作りたい……。
(ダジャレ)





いや急にわけのわからないこと言い出して本当に申し訳ないんですけど。
ダジャレって、ふと思いついたら頭から離れなくなることありません?

仕事中なのに妙に気になって、口に出さずにはおれない、みたいな。
だからおじさんってダジャレ好きな人多いのかな。言いたいのを我慢できないのかもしれない。


しかし、いくらなんでも「フクロモモンガの袋物」はダジャレとしてのクオリティが低すぎる。言われた方は困惑するに決まっている。
そもそも今時バッグやポーチのこと袋物って言わないし……

こんなこと言った日には尋常じゃなくスベり、空気は凍りつき、花は枯れ、大地はひび割れてしまう。
私のせいで職場に氷河期をもたらすわけにはいかないので、口に出さずに済ませるため、何らかの方法で昇華してしまいたい。





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作った。ポケットティッシュケース。

随所に手芸の技術不足と細部の雑さは目立つが、なんか予想してたよりはかわいい感じになった。嬉しい。


【材料・道具】

  • 100均(セリア)のフェルト3枚セット
  • 中学のときの裁縫セット
  • 中学のときの縫い糸
  • 大きめのはさみ

100円でできた。
裁縫セットを持ってなくても、針と糸なら100均で買えます。


【手順】
①フクロモモンガをGoogle検索する。もっとよく知りたければ図書館で図鑑とか探す

②滑空してるフクロモモンガの写真を参考に、フェルトをカットする。お腹に縦の切れ目を入れておく

③このサイトを参考に胴体を縫う
【お子さま向けのやさしい手芸】①フェルトで作るポケットティッシュケース | グランツリー武蔵小杉店 | 生地、手芸用品のオカダヤ(okadaya)公式ショップブログ

④同じ要領で顔・耳・しっぽを縫う

⑤各パーツを縫い糸で接合する

⑥手芸ができるならビーズで目を再現する。無理ならマッキーで描(えが)け!

⑦ポケットティッシュを入れて完成


【感想】

  • めちゃめちゃ手際悪かったけど1時間ちょいでできた。手芸得意な人ならスイスイ作れると思う
  • 手芸の技術がまだまだなので向上したい。パーツの切り抜きと縫うのが上達したら見映えよくなりそう
  • 縫った生地をひっくり返して縫い目を隠すやつ、意外と難しい。図書館で手芸の本借りたらコツわかるかな
  • パーツの接合部の処理がよくわからん、これも本見たらわかりそう
  • 既存の型紙やキットじゃなくて、自分で考えたものを作るのはかなり楽しかった
  • 簡易的でよければ、意外とささっとアイデアを形にできるんだなと思った
  • 丈夫な生地とストラップを調達すれば、フクロモモンガのサコッシュも作れそう

以上です。

みんはやSランクの壁

※本記事はnoteから移植しました

みんなで早押しクイズ

スマホアプリ『みんなで早押しクイズ』をやっている。

先週、初めて「みんなで対戦」でSランクまで到達できた。めちゃめちゃ嬉しかった。

しかし、Sランクの戦場に入った途端、それまでとは全く景色が変わった。
違う競技になったと言っても過言ではないと思う。

強豪相手にテニスの試合をしていたはずが、いつの間にかスーパーサイヤ人相手に超能力テニスをやらされていたのだ。
(なお、自分は人間でまだ超能力を使えないものとする)

なんでこんなに戸惑いを覚えてしまうのか、記録しとくことにする。
もちろん相手がみんな強くなって歯が立たないというのもあるが、それだけが理由ではない感じなのだ。

そのあたりを明らかにするために、まずは今まで体感していたみんはやの世界について考えたい。


A+ランクまでのみんはや

筆者はクイズど素人である。競技クイズは全く経験がない。

ただクイズ番組は昔から好きだし、そこそこ学校のお勉強はできた方だと思う。

A+ランクまでのみんはやの世界は、そんなクイズ好き素人が想像する通りの「早押しクイズ」の世界だった。

特徴としては、以下が挙げられる。

  • 難しい問題もあるが、答えを聞けば「聞いたことある」とは思える難易度
  • 問題を全部読んでから押してもだいたい間に合う(みんなで対戦の場合)
  • 知ってる問題を確実に取っていければ勝てる

例えるなら、バラエティ要素強めのクイズ番組でやっている「早押しクイズ」のイメージだ。
Qさま!はややガチ寄りなので、クイズミラクル9などを想像してもらえば近いと思う。

わからなかった問題でも答えを聞けば「ああ~!」と納得が行き、
答えを思いついてから押しても間に合い、
ミスをしないよう注意して、わかる問題だけ着実に答えればよく、
そこそこ知識があれば2位までに食い込めなくもない(もちろん負けることもたくさんある)。

そういう安定した「早押しクイズ」世界で、筆者は今まで遊んでいた。
このフィールドなら、そこそこ知識があればクイズ素人にも十分勝ち目があった。

しかし、Sランクに入るとフィールドは一変する。


Sランクからのみんはや

Sランクの世界の理で、今までと異なるのは主に次の2つ。

  • 問題の答えがわかるのは当たり前
  • その上で、鍛え上げられた「速さ」が求められる
・答えがわかるのは当たり前

A+ランクまでは知識の有無が命運を分けるフィールドだった。
難しい問題は全員がスルーすることも多く、危険球に手を出さず、打てる球だけ着実に打てば勝ち目があった。

だが、ここではそうは問屋が卸さない。

みんはやSランカーにとって、もはや知識は大前提なのである。

あなたは以下に挙げる単語のうち、いくつの意味をご存知だろうか。

「意味わかるどころか聞いたこともないわ」と思われた方もいるはずで、私もそうだった。

みんはやSランカーはこれらが答えになる問題を当然のように正解し、その上で答える「速さ」を競いあう戦闘狂なのである。

私はその過酷な戦場に「おまえ農民やけど素振りきれいやな」と剣渡されて放り込まれたパーソンなので、できることは死なないよう逃げ回ることくらいである。

でも死んだ(既に3回くらいA+ランクに落ちた)

・「速さ」が試される競技になった

筆者がSランクでつまずいた一番の要因がこれだ。
どう考えても、これまでやっていた「早押しクイズ」とは別の競技になった。

今まで問われたのは、答えを知っているか否か、ただそれだけだった。

それがSランクになった途端、問題文のどこで答えを確定できるかを見極める競技になったのだ。
完全新作の要素が1個乗っかってきた。

この要素を攻略するには、メタ認知能力がめちゃめちゃ必要とされる。

メタ認知能力は、ざっくり言えば「自分の認知の状態を客観的に認知する能力」のことだ。
ガチの競技クイズで勝つには、おそらくこの能力がめちゃめちゃ高くないといけない。

なぜかというと、普通に答えを思い出してから押したのでは遅いからだ。押し負ける。

答えを思い出す(←認知)前に、
自分が問題の答えを知っているか否かを判断(←メタ認知)し、
問題文をどこまで読めば自分が答えを確定できるかを判断(←メタ認知)して、
ボタンを押して答える。

この、「答えがわかる前に、答えがわかるかどうかがわかる」感覚は、競技クイズの醍醐味かもしれない。まだ素人だけど。


余談

さらに「速さ」を極めるためには、競技クイズのお約束を理解することも大事らしい。
それを実感したのが次の問題だ。

Q.いわゆる「文房四宝」とは、

もう↑の時点でみんな押すのよ。何を問われるかまだ確定してないはずなのに。
一見わけがわからない。

だが、競技クイズの文法とみんはやアプリの性質を熟知していれば、ここで押すのはそれほど無謀な行為ではないとわかる。



以下、条件を整理していきたい。

まず、この時点でも答えの候補はかなり限られている。

  • 「文房四宝」=筆、墨、硯、紙のどれかが問われる
  • 文房四宝と対比される別の「○○四宝」が問われる(ですが問題)

後者の可能性は、この問題文に限っては低い。なぜか。
ふつう「四宝」と言って連想されるのは、以下の2つくらいである(はず)。

  • 仏教における四宝=金、銀、瑠璃、水晶
  • 文房具における四宝=筆、墨、硯、紙

なので仏教における四宝を聞いてくる可能性は、論理的にはあり得る。

だが文房具における四宝が「文房四宝」と呼ばれるのとは異なり、仏教における四宝は単に「四宝」と呼ばれる(○○四宝の形では呼ばないらしい)。

ゆえに、仏教における四宝を問うですが問題であれば、問題文はこうならないとおかしい。

Q.いわゆる文房具における四宝は、

「文房四宝」という単語を出すと文のつながりがおかしくなり、ですが問題として美しくないからだ。

しかもみんはやアプリの回答方法は、順不同の複数の答えを列挙させるのには向いてない。これも判断材料になる。



よって、問われるのは文房四宝のどれかひとつと考えられる。
では、そのうちどれが答えか?

管見の限りでは複数から1つを問う場合、以下に当てはまるものが選ばれがちだ。

  • 一番マイナーなやつ
  • 一番難しいやつ
  • 浮いてるやつ

体育で3人組になれって言われたときに仲良しグループから外される1人が選ばれるのとだいたい同じ基準だ。

この基準で考えてみよう。

文房四宝のなかには、特に際立ってマイナーなものも難しいものもなさそうだ。
(書道をやるとき必ずセットで使うので)

なので浮いてるやつを探す。

墨と硯は親友だろう。色もお揃いだし。
筆は全員とまんべんなく仲が良さそう。たぶん4人の中で最も華やかなキャラだ。
紙は筆とは仲が良いが、墨や硯とは間接的につながっているだけ。

紙だな。

キャラを考えずとも、4つのうちで紙だけは明らかに消耗品なので浮いてる。
(正解も紙でした)

……と、ここに至るまでの判断を、問題文が読まれるわずかな時間で直感的に行えなければ勝てないのだ。

これが競技クイズの世界か……

ゆで卵をのせるためだけの器 バナナをかけるためだけの台

※本記事はnoteから移植しました。

ソシャゲのFGOに出てくる「カルデアの夢火」、何か見覚えあるなーと思っていたらエッグスタンドだった。


ゆで卵をのせるためだけの器

エッグスタンド、それは、ゆで卵をのせるためだけの器。

半熟卵をこれに立て、上部の殻をむいて、中身をスプーンですくって食べるために使うらしい。

しかも器に飽き足らず、ゆで卵の上部の殻をむくためだけのカッターまで存在している(エッグシェルカッター、またはエッグオープナーと呼ぶ)。

人類どんだけゆで卵好きなん?
ていうか、「ゆで卵をその食べ方でいただく」ことへのこだわりがエグない?




用途の狭すぎる道具

こういう極端に用途が限られた、「わざわざそのためだけに作ったん?」みたいなアイテムべらぼうに良い。マジで人間ってホモ・ファーベル(道具を作る生き物)なんだな。

しかも、殻がむきやすいように卵に穴を開ける器具や、
電子レンジでゆで卵を作るための器具(普通にレンチンすると爆発する)、
ゆで卵を切るためだけのスライサーまである。

よってたかってゆで卵に何かしようとしている。ゆで卵を道具でなんとかしてやろうという気概がすごい。用途によって細分化されすぎている。



この系統だとバナナスタンドも結構良い。
バナナをかけるためだけの台。
……バナナをかけるためだけの台!?

なぜ人々はそんなにも固有のスタンドを欲しがるのだろう。

ジョジョならわかるけど。
ジョジョのスタンドなら強そうだけど。

いやさすがにバナナをかけるためだけのスタンドは弱いか。いつでもバナナをかけられるだけだもんな。




道具を使うマナーと手技

「用途による細分化」でいうと、フレンチ料理のナイフやフォークが思い浮かぶ方も多いはず。
前菜と肉料理と魚料理とデザートで、別々のナイフとフォークを使う。
なかなかの分けっぷりだ。


テーブル上の名脇役 カトラリー | Table LABO - テーブルラボ
カトラリーの種類については、上記のページがわかりやすかった。

身崩れしやすい魚をおさえるためにナイフの幅を広くしたり、肉を切るために刃を鋭くしたり、バターを塗りやすいよう角度をつけたり。
それぞれ形状に特徴があり、その料理を食べるのに特化したつくりになっている。


快適に使えるよう道具を工夫していった結果、ここまで細分化されたのだろう。

だがそのせいで、1度の食事でカトラリーを10本以上使い分けるなんてことも珍しくない。
となると「どの用途でどの道具を使用すべきか」が細かく決まってくるので、マナーとして覚えなくてはならない。


お箸の「焼き魚から豆腐、汁物まで全部これだけで食べてください。つまみにくい? 使い手の技術でカバーしてください」というスパルタ精神とは真逆の発想。

フレンチと和食では、カトラリーの設計思想が根本から違うのだろう。

いわば、お箸が要求する「手技(非言語的なスキル)を身につける手間」を、ナイフやフォークは道具の細分化によって「言語化されたマナーを覚える手間」に置き換えた、とも考えられる。


この考え方の差異を突き詰めていくと、言葉で説明できない職人技と、明文化された業務マニュアルの対比にもつながっていきそうだ。
ちなみに manner も manual も、ラテン語で手を意味する manus が語源だという。背景とする思想は共通しているのかもしれない。

トッピングにはたらく重力のこと

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トッピング(Topping)とは
ケーキの上飾りなど、料理において仕上げの段階で飾りとなる食品などを盛り付ける調理法。また、その飾り付ける食品などのこと。見た目を良くするためや、味や栄養バランスの調整などのために用いられる。ローソクや人形など食品以外の物を追加する場合もある。
(トッピング - Wikipediaより引用)

トッピングについて考える

トッピングがなぜ「トッピング」かといえば、それはケーキが地球上にあるかぎり重力の影響を受けずにいられないからだ。

重力のはたらきによって、我々はケーキの側面や裏面(お皿やテーブルと接する面)に飾りを「のせる」ことができない。
せいぜいクリームの粘性を活かして、側面に多少のフルーツ等をくっつけるのが限界だ。


かくして、苺やホイップ、チョコプレートやサンタクロースの砂糖菓子が鎮座すべきはケーキの上部である。
ゆえにあれらは頂点に立つ者ーートッピングなのだ。


無重力世界のケーキを考える

裏を返せば、重力のない宇宙空間で独自の製菓技術が発達した場合、側面や裏面を飾り付ける技法も当然生まれるはずだ。
その場合、それらは「サイディング」または「ボトミング」と呼ばれるのであろうか。

あるいは飾り付けの主戦場がケーキの頂ではなくなっても、「トッピング」という言葉だけは残り続けるのだろうか。


「先生、なんでケーキの底面につける飾りなのに『トッピング』って呼ぶんですか?」
「それは人類が地球上にいたころの名残りです。地球には重力があったので、ケーキの上面にしか飾りをのせられなかったのです」

宇宙の製菓学校でそんな会話が行われる日も、いつか訪れるかもしれない。



いや、無重力世界のケーキはもっと自由だろう。球体のケーキを製作する技術は当然生まれるはずだ。となるともはや、上部やら側面やら底やらの区別は意味をなさなくなる。

そうなったら、私はモーニングスターみたいなショートケーキが食べたい。
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あれのトゲトゲ部分が、いちごで再現されているケーキ。あるいは金型で絞ったメレンゲでも、さくさくの食感が楽しいかもしれない。

そのころには、私は少なくとも老人になっているだろう。
宇宙生まれのこどもたちとケーキを囲みながら、モーニングスターの由来となった金星の話をーー地球上から見た、明けの明星の話をーーしてみたい。
こどもたちは興味を持ってくれるだろうか。



未来のケーキは球体に限らない。もっとユニークな形のケーキが、次々と生み出されるだろう。
そのうちメビウスの輪状のケーキが作られるかもしれない。ここまでくると、どちらが表でどちらが裏なのかすら決定できない。

トッピングと呼ばれていたものたちは、ただ表面に位置するものーー『サーフェシング』と名付けられるかもしれない。



などということを考えた。どうでもいいことを考えるのは好きだ。
おいしいケーキが食べたい。

ためになる!FISHBOY DANCE NEWS

※この記事はnoteから移植・再編集したものです

中田敦彦の弟でありRADIOFISHのメンバーでもある世界的なダンサー・FISHBOYさん。
彼が昨年1月に開設したYouTubeチャンネルが、『FISHBOY DANCE NEWS』。文字通りダンスに関するニュースを扱うチャンネルです。

これがダンス超初心者のーーやっと門の内側に足を踏み入れたくらいのーーカニが見ても面白い! そしてためになる!


どうすごいのか?
どこが画期的なのか?
何が学べるのか?


僭越ながら、その魅力を語ります。

FISHBOY DANCE NEWSの魅力

[:content]

ゲストのメンツがすごい!

動画の多くは、ゲストをお招きしてじっくり話を聴くインタビュー形式。

FISHBOYさんの問題意識に成果を上げたダンサーがきちんと誉められる場、その凄さを伝えられる機会を作りたいというものがあり、まさにそれを体現しています。

しかも、ゲストのメンツがすごい!
ゲストのエピソードトークに出てくるメンツも尚更すごい!


……前述の通り私はダンスに入門すらできてなくて、知識もほぼないのですが。
そんな門外漢の素人でも「その人だったら名前知ってる!」とか「なんか……見たことある!」って思える人や名前がポンポン出てくる!

例えて言えば、「お笑い全然知らんけど明石家さんまなら知ってる!」とか「若い人の音楽全然わからんけど米津玄師はさすがに聴いたことある!」の、ヒップホップダンス版。

ジャンルを築いたレジェンドから、新進気鋭のカリスマまで。かと思えばキッズダンサーや照明のプロがゲストの回も!

人脈がほんとに多彩。さすが友達1億人と呼ばれるだけある。


ゲストの知識や経験を深掘り

ゲストの話を聴く、FISHBOYさんのインタビュー能力も素晴らしい。

FISHBOYさん自身、ダンスに対する熱意と知識を持っている。だからこそゲストのトークを興味津々で聴けるし、基礎知識があるから理解も速い。

基本はゲストにじっくり語ってもらいつつ、所々でリアクションしたり話の内容をまとめたり、質問でさらに語りを掘り下げたり。

ゲストの邪魔にならない自然な傾聴、視聴者の理解を助けるフォロー、タイミングとポイントを捉えた質問、これらのバランスがとても良い!


さすが「友達1億人」と呼ばれるだけある……
彼の人脈がそんなにも広いのは、この「話を聴く力」のおかげかもしれない。

『FISHBOY DANCE NEWS』、ゲストのトークが勉強になるのはもちろん、FISHBOYさんの話の聴き方も勉強になります。真似しやすいし、日常に取り入れやすい技術。


ダンスを多角的に見る視点

動画のジャンルが多種多様なのも、このチャンネルの特徴。

創設時の試行錯誤の段階だからというのもあると思いますが、これはFISHBOYさんの視点の多彩さも反映されていると思います。


第1弾の【HIPHOPって結局何?説明できる?】では、ヒップホップダンスの根源であるHIPHOPの成立と歴史について紐解く。

第2弾、GANMIのSOTAから学ぶチームのマネジメント学では、チームで活動しファンに愛されるための考え方や試行錯誤をがっつり聞き出す。

他にもキッズダンサーや高校ダンス部に注目してみたり、舞台照明の基礎知識をダンスとのつながりから解説してくれたり。

とにかく視野が広い!
ヒップホップダンスの枠組みでこんなに多角的な見方ができること、良い意味で驚き。


いろいろな視点からダンスを見られることは、踊る人だけじゃなく、鑑賞する人にも役立ちます。多様な見方を知っておくと、鑑賞にも深みが出て楽しくなる!

ダンスする人にはもちろん、「ダンスしないけどダンスを見るのは好き」な人におすすめしたいチャンネルです。



公式チャンネル↓
https://www.youtube.com/channel/UCquehM-PPlJy2bB3Fw_A3Qw

しばらく更新が止まっていたのですが、最近また新しい動画がアップされました。