蟹を茹でる

カニ @uminosachi_uni の雑記ブログです。好きなもののこと何でも。

お菓子を食うことの効用

甘いもの食うのってやめられねえ!!

お題「私○○がやめられないんです!」

 

お菓子を食うことの効用

お菓子のジャンルとか特性によって、食べたときの効用が違う気がします。

 

良いお菓子の場合

例えば、デパ地下に売っている1粒432円のショコラボンボン。

あるいは、閑静な住宅街にひっそりたたずむ和菓子屋さんの、つやつやした栗羊羹。

良いお菓子(ちょっと高級なお菓子)は見た目からして美しい。凡庸なたとえではあるけれど、良いお菓子とは食べたらなくなるジュエリーなのだ。

 

味もそう。この世には美味しいものがあふれていて、スナック菓子やラーメンだってそれぞれに旨い。

ただ、良いお菓子というのは「丁寧につくられた」ものの味がする。人の手をかけてこのかたちに仕上げましたよ、と伝わってくる味。

このレベルで「丁寧につくられた」味の料理をレストランで食べようと思ったら、まあ3~4000円はするだろう。質の良いものに手が届きやすいのがスイーツの嬉しさ。

 

丁寧につくられた良いお菓子を食べていると、なんとなく自分を大切にしている気持ちになれる。好きだ。

 

コンビニスイーツの場合

コンビニスイーツはいつでも手に入るところが良い。

まだ頑張らないいけない平日の昼休みに。精神が疲れてしまった仕事終わりの帰宅途中に。あともうひと踏ん張りしなくてはならない夜に。

人生におけるコンビニスイーツのコーナーはマラソンにおける給水所みたいなものである。精神の補給地点。なんなら心が寂しいときにぎゅっとできるぬいぐるみとかも置いてくれてもいいと思う。

 

コンビニスイーツは「むさぼり食う」ことができるところが好きだ。味わうとか食材に向き合うとかは疲れてしまうような日にも、ただ衝動をぶつけて補償を求めるようにむさぼり食うことができる。

心の中のポメラニアンが「ヴゥーーッ」って牙剥き出しで唸ってるとき、ついコンビニスイーツを求めてしまう。

自分で自分に餌付けしているみたいで、客観視するとちょっと間抜けで愉快。好きだ。

 

甘いもの食うのってやめられねえ!!

【仮面ライダー映画2021】よかったところ

12/17公開『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』を観ました。

そもそもは「オリラジ藤森さんがベルトとスタンプの声を当てている」という理由で観始めた今期の仮面ライダー
まさか成人してから仮面ライダー映画を生まれて初めて観に行くことになるとは。藤森慎吾は俺の世界を拡げてくれる……

仮面ライダー50周年を記念する映画だけあり、仮面ライダーシリーズへのリスペクトが随所に見える作品でした。

過去50年から受け継いだものを、未来の50年に託す。これまで仮面ライダーの継承に関わった人々、そして仮面ライダーに憧れたもっと大勢の人がいる。
それらを意識して作られていると感じました。

「家族の絆」と「歴史の継承」の2大テーマをこれでもかと強調しつつ*1、派手派手なお祭り要素も盛り込まれていて、最後まで飽きない映画でした。

バイスしか知らない人間でも十分楽しかったですが、過去作を知ってれば解像度はもっと上がるはず。
特にセイバーを観てた人なら、キャラクター性や人間関係がわかってより楽しめるだろうな……と思いました。

以下、ネタバレを含む感想(よかったところ)です。





研究者の業

百瀬龍之介とジョージ狩崎、ふたりの研究者の業が描かれてたのが興味深かったです。

ショッカーの所属研究者にも独自の価値観があった、ってコンセプトがいい。
悪の組織に心酔したり洗脳されたりしたわけではなく、「ここでなら外部機関では不可能な(倫理に反する)研究ができる」を理由に百瀬はショッカーを選んだ。人間くさくて、同時にマッドな研究者の業。

百瀬のやってた「神をも恐れぬ領域」の研究、たぶんヒトDNAの編集ですよね。
「クリスパースタンプ」は明らかにゲノム編集を意識した名称だし、偉人の遺伝子情報が組み込まれている。何より50年前には怪人を作りまくってたし。


狩崎パパが開発したバイスタンプは古生物や現生動物のゲノムを利用していたけれど、百瀬は一戦を越えて人間の遺伝子に手を出してしまった。

狩崎も百瀬もマッドサイエンティストには違いない。ギリギリを踏み越えて外道に堕ちてしまったのが百瀬、たまたまそうならずに済んだのが狩崎、ということかも。

これは狩崎の方が倫理的とかではたぶん全くなく、単に彼はヒトに興味がなかっただけだと思います。
狩崎の研究倫理も間違いなく終わっている。クローンライダーを嬉々として収集する人なので……

狩崎の一存で次々にクローンライダーアーマーが選ばれる場面、あれ着せ替え遊びみたいで狩崎は超楽しかっただろうな……

印象的なアイテムの使い方

アイテムを象徴的に使うのが上手いのも見どころ。

「新幹線の切符」は時代背景を反映させつつ、親子の思い出をドラマチックに見せていました。
ベタな手法ではありますが、分かりやすくて効果的。

「遺伝子」も上手いモチーフ。
ひとつは家族内で継承される血の象徴として、ひとつはコピー・改変して利用できるデータとして。

この両義性で「家族の絆」と「歴史の継承」、「研究者の業」がひとつながりに接続されているのが非常に綺麗です。

1号へのリスペクト

仮面ライダー1号の登場シーンが非常に昭和っぽかったのも大好きでした。なるたけ歴史を改変しないように留意している……

本郷猛役の藤岡真威人さん、マジで演技の濃さが藤岡弘のそれ。ご子息なので当然のように再現が上手い。

怪人との戦闘シーンも昭和の風が満載。
ロケ地が広大な採石場なのも、ライダーと怪人のアーマーが今よりシンプルで布地メインなのも、カットの切り替わり方や「とうっ!」と言いながら宙返りジャンプする演出も。

見たことないはずの無印がなぜか懐かしい。
CGや電子音をふんだんに駆使した映画に、昭和完全再現のシーンが挿入されているのが妙に面白くて最高だと思いました。

それぞれに役割がある

ストーリーの都合上、フォーカスされるのは百瀬親子とセンチュリー。セイバー・リバイスの両陣は彼らをサポートする役回り。

映画オリジナルのキャラが主題になるのは、子供向け長寿番組の王道でしょうか。ドラえもんアンパンマンの映画もそうですよね。

とはいえ一輝は主人公として物語を力強く推進していくし、バイスは「第4の壁を越えて観客にめちゃめちゃ喋りかける」ことで個性を発揮。セイバーの主人公・飛羽真は憧れの先輩ポジションで非常に頼りになる。
サブに甘んじているわけではなく、各キャラの良さが出ていました。

加えて、若い男性だけではない、幅広い人材が活躍していたのもよかったです。女性ライダーがバリバリ戦っていたし、センチュリーに変身した百瀬親子はかなり年齢層が高め。*2


この映画のキャラクターは、仮面ライダーを支えてきた人々をモチーフにしていると思います。

本郷猛と百瀬龍之介はおそらく「仮面ライダー1号を生み出した人々」の象徴。百瀬秀夫は「あの時仮面ライダーに夢中だった、そして今では仮面ライダー好きの子を持つ親」。
ジョージ狩崎は「生涯仮面ライダーを愛し続けるマニア」であり、愛が高じて制作に関わる道を選んだファンでもある。

作る人がいて、次世代に受け継ぐ人がいて、大人になっても愛し続ける人がいるから仮面ライダーの歴史がある。その重みにグッときました。

*1:悪人にも守りたい家族がいる、という描き方は良かったが「子を愛さない親なんていない!」と断言した百瀬父には若干危うさを感じた

*2:戦うババア成分が足りないと感じた方には『マッドマックス 怒りのデスロード』を強くおすすめします。最高の映画です

スピッツ「ロビンソン」の国は国家の要件を満たすか

スピッツ「ロビンソン」にはこんな歌詞がある。

誰も触われない 二人だけの国
君の手を離さぬように
大きな力で 空に浮かべたら
ルララ 宇宙の風に乗る

そう、二人だけの国である。
それは本当に国だと言えるのだろうか
考えてみた。


国家の4要件

国家の資格要件 - Wikipedia
モンテビデオ条約では、国家の成立要件として次の4要素が挙げられている。

  • 国民
  • 領土
  • 政府
  • 主権

国民

国家が成立するには、国民が存在しなくてはならない。この要件は満たされていると考えてよいだろう。「二人だけ」ではあるが、国民の存在が歌われている。

主権

国家は他国から独立して、主権を行使できる状態でなくてはならない。傀儡国家は独立した国とは認められない。
こちらも歌詞に「誰も触われない」とあるので、他国の支配を受けず国家管轄権を行使できるものと見て良さそうである。

政府

ある地域を国家と認めるためには、それを実効的に統治する政府が必要である。政府の存在は歌詞に明示されていない。対外的には自立しているようだが、対内的にはどうか。
歌詞には「大きな力で」とあり、国内を実効支配する能力があると読めなくもない。かなり強引な解釈ではあるが。

領土

領土の存在は国家の最も本質的な要件である。
これも歌詞には明示されていない。だが、「空に浮かべたら」とあるので、二人だけの国には何らかの浮かべられる実体が存在しそうである。
「宇宙の風に乗る」というフレーズより、この実体は宇宙空間に存在すると推測できる。

しかし、宇宙条約第2条において、宇宙空間に対してはいずれの国家も領有権を主張することはできないと定められている。
よって、これを領土と認めれば二人だけの国は国家の要件を満たすが、二人だけの国が国家だとすれば宇宙の領有権は主張できず領土を持てない。パラドックスである。


まあ少なくとも国家承認は絶対されないだろう。

仮面ライダーリバイスの変身ベルトのモチーフが熱い

「推しの藤森慎吾が変身ベルトとスタンプの声を担当してるから」というだけの理由で見始めた『仮面ライダーバイス』にまんまとハマりました。カニです。

だって人間関係は沼だしモチーフはクソ格好良いし藤森慎吾の声はめちゃめちゃベルトに合ってるし、あとみんな顔がいい。ハマらないわけがなかった。
よかったら途中からでも観てみてください。
仮面ライダーWEB【公式】|東映


今回の仮面ライダーは「人間の心の中に潜む悪魔」がテーマのひとつ。そのため「悪魔との契約」が象徴的に表現されていて、契約のための押印(スタンプ)が重要なモチーフになっている。

ライダーベルトであるドライバーも、それぞれ判子に関連した慣習やアイテムをモチーフにデザインされており、これがハチャメチャによくできている。
本当に考察すればするほど良さがしみじみ感じられて、いくらしがんでも味がする。汲めども尽きぬエモの泉……

考察の結果、それぞれについて「このドライバーのモチーフは○○ではないか」という仮説を立てたので、以下で論じます。オタクの妄言だと思ってください。

バイスドライバー=印章と印影

主人公の五十嵐 一輝が使う変身ベルト。これにより一輝の中の悪魔・バイスが実体を得て、『リバイ』と『バイス』、2体のライダーとして戦う。

バイスドライバーのモチーフは印章(判子本体)と印影(判子を押した跡)だと思われる。

本体である一輝と、そのシャドウであるバイス
普段は実体を持たないバイスは、スタンプが押印されることでその形を現す。

あるいは印影というより印鑑(実印などに登録した印影)と見立ててもよいかも。自分を写し出す「鑑(かがみ)」としての、一輝と正反対でありながら一輝の似姿でもあるバイス

ツーサイドライバー=割印

一輝の弟、五十嵐 大二が使う変身ベルト。大二の中に潜む悪魔・カゲロウが変身した際には『エビル』に、大二本人が変身した際には『ライブ』になる。

ツーサイドライバーのモチーフはおそらく割印
[割印とは|知っておいて損はない!【はんこ豆事典】

割印とは契約書の正本と副本、原本と写しなどの二枚の書類が元々、対だった証として両方にまたがって押印します。

大二が自らの醜い感情を認められなかったせいで現れた、大二の分身がカゲロウだ。
割印モチーフは大二の感情の分裂や葛藤を表すとともに、原本である大二とその写しであるカゲロウの関係を表している。とオタクが勝手に思っている。

ベルトの押印部分の模様が『エビル』と『ライブ』半分ずつになっているのも、『エビル(Evil)』と『ライブ(Live)』が綴りの反転になっているのも、大二とカゲロウが分裂した存在であり反転した関係であることの象徴だと考えられる。

デモンズドライバー=朱肉

大二も所属する正義の組織・フェニックスの分隊長、門田ヒロミが使う変身ベルト。この人は元々ライダー適性がないとされていたのに変身してるし、変身前の決め台詞が「我が命を懸けて……世界を守る!」なのでフラグが立ちすぎています。死なないで!!!

モチーフは朱肉。押印部の上部に赤い台座があり、変身時も「スタンプで朱肉部分を押す→押印部分を押す」という動作なのでたぶん間違いない。

他のふたりがスタンプを直接押印しているのに対して、デモンズだけがベルトの朱肉を経由している。

赤いインクでまず連想されるのは血液だろう。
血判とは - コトバンク

本来は変身適性がなかったことも考慮すると、スタンプ側からインク(変身の動力)を引き出すことができないヒロミが、ベルト側の朱肉から動力を補填しているという見方もできる。ヒロミは自らの血と肉を犠牲にしているのかもしれない。

逆にこれで何のデメリットもなかったらめちゃめちゃ面白いな。単に決意が強くて熱い人……

リベラドライバー=???

一輝と大二の妹、五十嵐 さくらが入手した変身ベルト。11話ではまだ変身が行われておらず、ドライバーの名前と仮面ライダーの名前『ジャンヌ』のみが予告から判明している。

ブルーとイエローの配色、頭部の剣のようなデザインはジャンヌダルクの紋章から来ていると思われる。
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情報が少ないためモチーフについては何も言えないが、どうにも烙印なのではないかと思えてしょうがない。
ラストシーンでさくらが変身しようとしたとき、台座の黒い檻のような部分の奥が赤熱していたし、弾かれたスタンプは煙を上げていた。

ライダー名の由来と思われるジャンヌ・ダルクは、異端審問の末に火刑で亡くなっている。

烙印(スティグマ)には「周囲からそういうものだと決めつけられた、属性に基づく負の偏見」という意味もあり、さくらの抱える課題とも合致する。

正直とても魅力的なモチーフだと思う。が、本当にそうだったらけっこうエグい。焼き付けるし、跡は消えないし、本来罪人に押されるものだ。「烙印を打ち消す」という形でモチーフになっていると安心できるが……


もちろんリベラドライバーはまだ詳細が判明していないので、全く別の慣習がモチーフである可能性も高い。12話が待ち遠しい……!

猫はなぜこんなにかわいいのか? 『知りたい!ネコごころ』

読書記録です。

知りたい! ネコごころ知りたい! ネコごころ税込1,320(2021/11/22時点)

著者はネコの心理の研究者である高木佐保さん。本書で紹介された論文で、京都大学総長賞も受賞されています。
ネコの記憶能力(エピソードを思い出すことができる!)、推理能力(ネコも物理法則を理解している?)、飼い主概念を検証するために行った心理学実験を、分かりやすく解説した本です。
心理学に興味があるネコ好きにおすすめ。

この最終章で読んだ内容が興味深かったので、読んで得た知識をまとめます。

ネコはなぜかわいいのか

ネコってなんであんなにかわいいのか。
なぜヒトはネコをあんなにかわいがるのか。

ネコ好きに聞いたら百者百様の答えがありそうな問い。著者の専門は比較認知科学なので、ネコの進化やヒトの認知に絡めて答えてくれる。

ネコは【赤ちゃんに似ている】からかわいい?

ヒトは赤ちゃん的な特徴をもつ生き物を目にすると、自動的にかわいがりたい、守りたいと思ってしまうようにできている。
(そのほうが未熟なヒトの赤ちゃんを守り育てる上で都合がよく、子孫を残す上で有利だから)

ネコのビジュアルの魅力

ネコはとにかく顔がかわいい! 大きな目、低い鼻、広い額、丸い輪郭……愛らしさをこれでもかと詰め込んでできている。
そしてこれらの愛らしい顔の特徴は、ヒトや動物の赤ちゃんに共通する特徴でもある。

参照↓
赤ちゃんがかわいいのはなぜ? | 日本心理学会

動物行動学者コンラート=ローレンツは,ヒトだけでなくイヌやトリなど多くの生物に共通する赤ちゃんの形態的・行動的特徴を調べています。
その特徴とは,「体に対する頭の大きさの割合が大きい,顔より頭蓋のほうが大きい(大きい額),目が大きく丸くて顔の中の低い位置にある,鼻と口が小さく頬がふくらんでいる,体がふっくらして手足が短くずんぐりしている,動作がぎこちない」というものです

こうして見ると、ネコの形態ってかなり赤ちゃんですね……

  • 体に対して頭が大きめ(ネコは頭が通る穴ならくぐり抜けられる)
  • 頭蓋が大きく、顔より額のほうが広い
  • 目が大きくて丸い(瞳も大きい)、顔の低い位置にある
  • 鼻と口が小さい
  • 頬がふくらんでいる

つまりネコとは、手足がシュッとしてすらっとして動作が俊敏な赤ちゃん……!? スタイリッシュ赤ちゃん……

また赤ちゃんの形態的特徴を考慮すると、太っちょネコやマンチカン(手足が短い)が「かわいい~」と言われるのも納得。
ふわふわの被毛をもつネコちゃんがあんなに魅力的なのも、癒される手触りだけでなく被毛のおかげでふっくら、手足が短く見えるからかも。

ネコの鳴き声の魅力

ネコはかわいく「ニャー」と鳴いてくれるが、実はあの声はネコ同士だと「仔ネコが母ネコの注意をひくとき」にしか発せられない特殊な鳴き声。
なので成猫が他のネコに向かって「ニャー」と鳴くことは基本的にない。ヒトの注意をひくためにあの声で鳴いている。

わざわざ人間とコミュニケーションをとるために、赤ちゃんのときに使ってた声で鳴いてくれる……そりゃかわいいに決まっている!

しかもネコの声は、ヒトの赤ちゃんの声に含まれる周波数域の発声だという。ヒトは赤ちゃんの泣き声によく気がつくようにできているので、ついついネコの鳴き声を無視できずに構ったりごはんをあげたりしてしまうのかもしれない。
ヒトのプログラムの脆弱性を突いてネコが望む行動をとらせる、なんて恐ろしい小悪魔なんだ。下僕を自称する人間がいるのも納得である。

ヒト側もネコを赤ちゃん扱いしがち?

ネコが赤ちゃんに似た振る舞いをするだけでなく、ヒトもネコを赤ちゃん扱いした行動をとりがちだ。

赤ちゃんに対応するときの発話、いわゆる赤ちゃん言葉を「対乳児発話」という。言葉づかいがやさしくなるだけでなく、声が高くなったり、抑揚が大げさになったりするあの話し方だ。
これはペットをかわいがるときの「対ペット発話」とも多くの共通点があるという。

言われてみればネコに赤ちゃん言葉で喋りかける人間、いる。「アーネコチャン! カワイイネ!」あれもネコが赤ちゃん的魅力を兼ね備えているからということか。

ネコはかわいく【進化】した?

ネコの祖先はリビアヤマネコ。中近東やアフリカ北部に生息するヤマネコで、約1万年前からヒトと共生を始め、次第に今のネコになっていったという。

顔は元々かわいかった

ネコはヒトと暮らすうちに、ヒト好みに(ヒトがかわいいと感じる姿に)進化していったのだろうか。
いや、どうも祖先種のリビアヤマネコの頃からかわいかったようだ。
リビアヤマネコ - Google 検索

リビアヤマネコの見た目はほとんどネコと同じ。オオカミとチワワやダックスフントで見た目がまるで違うのとは対照的だ。

ネコは他の家畜と違い、ヒトにとって都合のよい特性の個体を選別して繁殖させることがあまりなかったらしい。そのためネコは今でも野生の特徴を残している。
つまり、ヒトと暮らすうちにヒト好みに見た目を変えてきたわけでなく、元々かわいかった。そしてかわいいまま今に至る。

ヤマネコが(穀物の貯蔵庫を狙う)ネズミ目当てにヒトに近づいてきたとき、ヒトは「なんやあのいきもの……かわいい!」と思ったかもしれない。
ヒトのかわいがりたい欲はかなり強い。ヒトはかわいいヤマネコを追い払わなかっただけでなく、積極的に餌付けしたり庇護したりしただろう。そうしてヒトとネコの共生が始まった。

ネコの声はヤマネコの声よりかわいい

本書でネコの声に関する、ある実験が紹介されていた。
ヤマネコの「ニャー」とネコの「ニャー」、2種の鳴き声をヒトの実験参加者に聞かせて評定させたところ、ネコの「ニャー」のほうがヒトにとって心地よいことがわかった。

つまり、ネコの声はかわいく進化してきた!?

先ほども書いたとおり、ネコはヒトがあまり繁殖をコントロールしておらず、自由に子孫を残してきた。
とはいえ、ヒトはかわいい声で甘えてくるネコに弱いもの。声のかわいいネコのほうがヒトにたくさん餌をもらえ、子孫を残しやすかった可能性はある。
そうしてかわいい声のネコが生き残ってきたのかもしれない。

性格もかわいくなった(※個人差があります)

ネコと、他の家畜化されていないネコ科動物の遺伝子を比較すると、「ヒトへのなつきやすさ」に関連する特定の遺伝子変異がネコにだけ見られるという。代表的なのはオキシトシン受容遺伝子。

ネコはヒトとの共生のなかで、ヒトになつきやすく進化してきたのかもしれない。
ただし、ネコのなかにもなつきやすい遺伝子をもつネコと、もたないネコがいる*1

知らない人にもフレンドリーなネコがいるかと思えば、人見知りで飼い主だけに心を許すネコや、飼い主にも甘えないクールなネコもいる。
これはネコの遺伝子の違いと、環境や経験の違いによるもの。それぞれに個性があるのもネコの魅力のひとつだ。

ネコは【思い通りにならない】からかわいい?

ネコ好きがイヌ好きによく言うやつ第1位(独断)、「ネコは思い通りにならんからかわいいんやん!」
言うことを聞いてくれないのが逆にかわいい、そんな魅力についても考えてみよう。

ネコは「半家畜化された」動物

ネコは太古よりヒトに飼われていたものの、他の家畜と違ってあまり繁殖をコントロールされてこなかった。自由恋愛、自由繁殖。ネコは昔から自由にしてきたいきものなのだ。

そのためネコは「半家畜化された種」ともいわれ、今でも野性的な一面を残している。

自力で虫を狩るハンターの一面*2
知らない人を警戒し、安心できる場所に立てこもる臆病な一面。
人と群れず、勝手きままに行動する単独生活者の一面。

かと思えば喉をゴロゴロ鳴らしながら赤ちゃんネコのようにスリスリ甘えてくる。
そんな二面性がネコの大きな魅力だろう。

純血種のネコちゃん

しかし近年の純血種のネコでは、少し事情が違ってきている。

ネコの品種ではそれぞれ理想とされる姿(スタンダード)が決まっていて、スタンダードに近いネコはキャットショーで表彰され、箔がつく。
キャットショーでは審査員がネコの体を眺めたり触ったりして評価するため、いい評価をもらうには知らない場所で知らない人に触られても大人しくできる必要がある(威嚇してしまうと失格になるらしい)。

ブリーダーはよりスタンダードな、より望ましい個体を選んで繁殖させていく。将来的には純血種のネコは、知らない場所や人を怖がらないフレンドリーな個体ばかりになっていくかもしれない。

将来のネコのすがた

反対に、野良ネコはもっとヒトを寄せ付けない存在になる可能性がある。

近年では飼いネコは完全室内飼いが推奨されているし、責任感ある飼い主は(子供を生ませる強い意思がなければ)去勢・避妊をする。
野良ネコについても、人懐っこいネコは保護されて飼われたり、地域ネコとして去勢されたうえで見守られたりする。

すると野良ネコは、人に見つからない場所でひっそり生きていたり、捕獲用トラップにかからない警戒心の強い個体ばかりが残る。
将来的には、野良ネコはヒトを恐れ近づかない、野生動物化したいきものになっていくかもしれない。





ネコのこれまでとネコの未来を広く見渡していて、興味深い内容でした。ネコを飼ったことがあると経験と知識が結び付いてより楽しく読めると思います。

他の章も「ネコも思い出をもつのかな? 実験で検証してみよう!」
「ネコにも推理能力があるに違いない! どうすれば証明できるだろうか……」
という発端の疑問から、ネコ研究ならではの苦闘、心理学実験の考え方、今後のネコ研究の見通しまでが盛りだくさん。

『岩波科学ライブラリー』シリーズは、気鋭の研究者が執筆していながら、初心者向けで前提知識が必要ないのも嬉しいです。

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ネコの進化についてもっと知りたくなったので、次は『ネコがこんなにかわいくなった理由』を読みます。
ネコがこんなにかわいくなった理由

*1:他のネコ科動物は皆なつきやすい遺伝子をもたない

*2:ネコが獲物の虫をプレゼントしてくれるのは、親ネコが狩りの下手な仔ネコに獲物をあげる習性のためかもしれない

2021.10.31 #ワタナベアトモス レポ

ワタナベアトモス、行ってきました。
カニの大好きなダンスボーカルグループである、RADIOFISHのFISHBOYさんとshow-heyさんも作品を出展してるので。
しかも10/31にはおふたりが在廊されるというので!

ワタナベアトモス レポ

FISHさんが在廊される13時半頃にお店に到着。
まずは店内の展示をじっくり観察。

個人的にハナコ秋山さんの作品がめちゃめちゃ良かったです。
shark? の絵はシンプルでかわいい。それでいて「これ海面の下どうなってるんやろ」と想像力を誘われる。
スケートボードの作品も好き。スケートボードにまつわる諸々をぜんぶ捨象して、純粋に形状だけを捉えて他のものに見立てる。
『自画像』もすごく良かった。
たぶん見立てが得意な方なんだと思います。

金の国・桃沢さんはただただ絵が上手くて凄かったし、ツヨシっ!のエディさんのバブルガムズはポップで魅力的でした。バブルガムとスニーカー、お互いがお互いを天敵だと思ってそうな感じが良いな。

show-heyさんのデジタルなアートはカラフルでメッセージ性があり、ヒップホップカルチャーが背景にあるのかなと感じました。
FISHさんはとにかくシンプル。『すごい板』『すごい靴』というタイトルもシンプル。なんだこれは!?



FISHさんは気さくで、積極的にお客さんとコミュニケーションを取ってらっしゃる。作品の解説もしてくださるので、だんだん周りのお客さんがFISHさんのもとへ引き寄せられて行ってました。

ご本人による作品解説。
「MD」の作品はデジタルで作成したもの。デザイン自体で何かを表現したい、メッセージを伝えたいというよりも、見た人の頭が活性化するようなものを作りたい。

MDは1995~2005年頃に使用されていて、それはFISHさんの青春時代とも重なっている。
その時代を生きていた人なら、MDにまつわる色んな思い出があると思う。昔あの音楽を聴いてたなとか、あのアーティストが好きだったなとか。
そういうそれぞれの思い出を喚起する作品を作りたかったし、そんな話を色んな人から聞きたいと思っている。


『すごい板』『すごい靴』は別にラクをしたかったわけではない。(show-heyさんにはラクしてるって怒られると思いますけどね)(実際ラクでしたけどねシール貼るだけだったから……)

スケートボードやスニーカーという、オールドスクールでアナログな道具たち。そこに新しくてデジタルな技術であるBluetoothが乗っかったら? という化学反応を表現したかった。

「スケボーにBluetooth? 何が起こるんだろう?」「スニーカーにBluetoothをつけたらどんなことができるんだろう?」と見た人が思いがけず考えてしまいそうな、見た人の頭を活性化させるようなものを作りたかった。
そしてみんながこれを見て考えたことを聞きたい。人の頭の中に興味がある。とのこと。


FISHさんのオールドスクール愛も、人間の営みや積み重ねてきた思想に興味がある故かもしれないな、と思いました。



そのあと流れで他の方の作品も解説してくださいました。資料館の案内してくれるボランティアのお兄さんか?

なんでも先日の記者会見で、出展者それぞれが自分の作品について語っていたのを興味深く聞き、覚えているそう。すごい好奇心と記憶力。
「人の頭の中に興味がある」っていうの、ガチだな……と思いました。言葉と行動が一貫してて格好良いな……

たぶんFISHさんの解説がなかったら、ハナコ秋山さんの『自画像』の意味ちゃんとわかってなかったと思う。スニーカーの自画像なのか……聞けて良かった。


show-heyさんはスケートボードの表裏両方をデザインしている。1枚はRADIOFISHモチーフ。グループ想い。

ジークレーポスターの『Thanks GOD…』にもRADIOFISHのモチーフが各所に織り込まれている。まずラジオと魚。魚はトビウオで、体の模様が以前のステージ衣装の柄になっている。
ビール瓶が6本なのはメンバーの数に合わせて。「また6人で飲みたいね」という気持ちを込めている。

『ICECREAM GANG』の背景はカラフルなアイスクリームの山。作品制作期間は夏の暑い時期で、誰もこんな寒い時期に展示すると思ってなかったから涼しげなアイスクリームをテーマにした。

スニーカーは甲の部分だけでなく、底にもマスクをつけている。黒と白のマスク。この現実の閉塞感を表している。マスクは実際に制作期間に使用していたもの。



FISHさんの解説、本当に凄かったな……。
お礼の気持ちも込めて(?)、FISHさんデザインのTシャツも購入しました。MDモチーフのシンプルなイラストが入っていて、普段の生活でも違和感なく着られそう。
ライブTシャツより日常で着るハードルが低くて、何気なく推しのグッズを身につけておけるのが強い。しかもサインまでいただけて嬉しいです。

サイズはユニセックスでS~XL。
FISHさんが着てたのがL。
サイズ感でけっこう印象も変わる。ちなみにshow-heyさんは一度XLを着てから「……いや、Lだな」と言ってLにしたらしい。

私はスタッフさんにおすすめされたMサイズにしました。ちなみに身長170cm平均体型。



ワタナベアトモス、行ってよかったです。開場期間は11/7まで!

XENO 藤森慎吾vs山本舞香 感想【ネタバレあり】

https://youtu.be/PoiFL3HI5ac
https://youtu.be/FFM9fqDyWrU

観ました。以下感想

前半戦

  • 対戦者ではなく支配人の立場の中田敦彦、新鮮
  • 会場も調度品もシックで高級感があって、世界観を深めている
  • 「今日の藤森くん本気ですね」の実況いいな。お気に入りの人間を見守る上位存在感ない?
  • 中田敦彦が見ていることによる緊張感の発生
  • XENOのルールを完璧に頭に入れていて、戦況に合わせてジャストなタイミングでさらっと正確な説明を入れられる藤森慎吾、普通にすごくない?
  • いきなり9・10引く山本舞香さん、やっぱりこの人持ってる……藤森慎吾が死神出してなかったら、自分の手番でこれ引いてたのよね
  • しかし引きの強さが今回は裏目に出た!
  • 「昔から全然嘘つかないもんね?」エモない?
  • 日頃からの正直さと、XENOでも信念を貫く芯の強さ。それを相手も理解している、ふたりの関係性。山本舞香の正直さを信じ、そこに勝負を賭ける藤森慎吾。
  • 騙し合いのゲームで相手の正直さを信じて賭けるって構図エモすぎる、あともうちょいでオタクの致死量
  • 序盤で9・10なくなると、途端にかなりゲーム性が変わる。このパターンは珍しくて興味深い
  • ここでの藤森慎吾の状況整理、説明が淀みなく的確。そもそも頭の回転が早いのに加え、バラエティで鍛えた進行能力によるものか
  • 精霊で交換からの相手3枚ドローはかなりのピンチ。何しろ兵士も貴族も全く出てない! 藤森さんここを切り抜けられたのは運が良かった
  • 兵士~! これには中田敦彦も大興奮のよう。
  • 精霊は効果も数字も強いカードではあるんだけど、場に出しにくいので諸刃の刃なんですよね。たとえ前ターンに死神でなく精霊を出しても、直後に相手が兵士を引いたら負けだし騎士も怖い。かなり思い切りがないと取れない手です
  • 手札5・6で初手対決!? 勝負師すぎる!! もう期待値とか関係ないじゃん
  • 凄まじい直感で勝ちもぎ取っていくのやばい。フィクションだと逆に描けないバトル展開だ
  • 1戦だけに注目すると無謀な手にも見えるけど、3点先取の試合全体を見据えた場合、序盤でカマしておくのはありだと思う。まさしく喧嘩殺法、相手の意表をつくことの威力を肌でわかっている
  • ここで山本舞香さんが得たのは1勝だけじゃない。「セオリー無視して突っ込んでくる可能性がある」と相手に思わせて、メンタルを揺さぶれるしプランニングをズタズタにできる。この後の戦いで精神的優位に立った
  • 藤森慎吾の悔しそうな表情。本気の顔。すごい緊張感
  • 山本舞香さん、6・7で勝負に出ないのは(動画的な配慮もあるかもしれないけど)藤森慎吾の行動の不穏さをきちんとキャッチしているからか
  • 藤森さんが身辺調査の候補から6を外したの、さっきのゲームが効いてる?
  • 英雄を相手に渡して、皇帝も捨てさせられるの痛すぎる……山本舞香さんの野性的な直感が冴え渡る
  • 読み合いの能力って2種類あると思うんだけど、2戦目で「セオリーやパターン、期待値を駆使した理論的な読み合い」を無効化したあと、3戦目で「五感で得た情報を駆使した直感的な読み合い」でぶん殴ってくる山本舞香、あまりに戦闘的
  • あえて同じ側を攻撃し続けて構えさせたあとノーガードの半身を叩き切るの、喧嘩が強すぎるんだよな。格好いい……

後半戦

  • 序盤はやはり山本舞香さんが空気を持っていってる。しかも賢者を連続で出す、驚異的な引きの強さ!
  • だが、その行為は必然的に手札の強さを示唆する。展開によってはこれが急所となりうる
  • 空気が一変したのは藤森さんが兵士を出してから。「強いカードを持ってるね?」と聞いたところから、彼女の表情に緊張が表れた
  • 前半戦では優等生的な戦いぶりだった藤森慎吾、ここで一気に悪の側面を開花
  • 巧みに声音を使い分けつつ、じっくりと相手を追い詰め、喉元に食らいつく! 藤森慎吾の確信に満ちた不敵な笑み。山本舞香さんも動揺を隠せない
  • 中田敦彦「これこれこれこれェ……! この瞬間が見たくてッ……XENOを作った!」
  • モニタリングでその興奮の仕方は完全にデスゲームを主催する人なんよ
  • 藤森慎吾が完全に空気を掌握したまま最終ゲームへ
  • 山本舞香さん、天真爛漫さとXENOの不慣れさからラフプレーで藤森慎吾を振り回す!
  • この行為、どっかのタイミングで「残念!外れです」とコールされたら強制終了なのでプレーするときは注意してほしい
  • 前半戦とは異なり、藤森さんの態度に明らかに余裕が出てきた
  • このゲームで初めてはっきりと嘘をつく山本舞香さん。藤森慎吾は彼女のわずかな表情を見逃さず、英雄を射抜く!
  • 「見せちゃいけない顔」になってる藤森さん。眼が爛々としている
  • 30代の男性が自分のことを「おじさん」と呼ぶの、けっこう珍しい気がしますが皆さんいかがでしょうか
  • 兵士は相手を脱落させる使い方もできるし、相手がそのカードを持っていないと確かめる使い方もできる。例えば英雄を持ってるときに皇帝をコールして危険を減らすとかですね
  • いやー乙女忘れは痛い! ここで乙女を指摘できれば山本舞香さん一気に有利だったが、お互い忘れてるとは
  • ここ藤森さんが乙女を認識してた場合、精霊ぶつけて効果を打ち消すのがセオリーかな? (ただし、皇帝・精霊・兵士のいずれかを持ってると推察されてしまうが)
  • 乙女認識した上で皇帝出すのは精霊持ってるやつしかありえないもんな……素直に精霊出すのがよさそう
  • 「1枚ずつ見ようかな~」余裕のあまり悪役ムーヴする藤森慎吾
  • 「負けたかと思いましたよ」の継承者としての藤森慎吾
  • 彼の心に中田敦彦がコピーされてんのよ
  • 長い付き合いの人にさえ本心がわからない、底知れない男
  • テンプレなワル発言して再戦への伏線をしっかり張る、抜かりない男
  • 「XENOをやると人間が出る」、まさに