【仮面ライダーリバイス】自分のために戦う強さ【15話感想】
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ヒロミと若林、空っぽの器《仮面ライダーリバイス14話感想》 - 蟹を茹でる
15話「撲滅!対決!デッドマンズ!」感想
愛すべきカゲロウの賞すべき成長
狩崎がギフスタンプに仕掛けた発信器でデッドマンズのアジトを突き止めたものの、侵入方法がわからない。
さくらは「デッドマンズとつるんでたカゲロウなら知ってるはず!」と思いつく。
カゲロウの助力が必要な展開はぜひとも見たかったので嬉しい。焦る大二もかわいかった。
しかしその手段が妹に羽交い締めにされながら兄にライダーキックされるなのはやばい。さすがに力業が過ぎる。
大二は「いやいや待って」「マジでやるの!?」と答えていて拒絶はしていないし、最終的には覚悟を決め、やめてではなく「痛くしないで!」と言っていた。
嫌がる人を無理やり蹴る構図にならない配慮はされていたが、若干「いいのか……?」とは思う。
現状カゲロウの呼び出し方が他に見つかってないので仕方ないが……
一輝とさくらに頼み事をされたカゲロウ、「傑作だな!」と悪魔らしい台詞を吐くものの嬉しさが隠しきれない。
カゲロウは一輝への劣等感から生み出された悪魔なので、一輝に頼られると自尊心が満たされるのだろう。よかったね、カゲロウ
さくらがライダーキックの話をしたらハッとしていたのも愛おしい。
前に思いっきり攻撃されて相当怖かったのか。あるいはさくらに嫌われたのが堪えた?
カゲロウはツンデレだが認められたい悪魔なので、結局は情報を教えてくれる。かわいい。
一方的に情報を恵んでやって精神的優位に立つ手もあったのに、カゲロウは条件を出して取引を求めた。
劣等感の裏返しで優越感を得ようとするのではなく、対等な存在であろうとしていた。
そして10話ではあんなに卑怯なやつだったのに、今回は先に情報を渡してからカレーを食べている!!
先にカレーだけ食べてトンズラする手もあったのに約束を守った(さくらにライダーキックされるからかもしれないが)。
それは、一輝とさくらが約束を反故にしないと信用した証でもある。
カゲロウが人を害するだけの悪魔から、対等なコミュニケーションを取りうる悪魔になっている……!
圧倒的成長。見守ってきた視聴者として感慨深い。
さくらの辛口カレーを久々に食べたかった、ってところもかわいい。そういえば大二のふりしてた時も大量に食べてた。
人の気持ちがわかる弱さ、自分の気持ちがわかる強さ
オルテカの裏切りで、ギフ復活の本当の生け贄がアギレラだと判明する。
アギレラに心酔するフリオは激怒するが、ギフテクス4人が相手では歯が立たない。
フリオを制止したアギレラの悲愴な覚悟「ギフ様のためなら、ギフ様とひとつになる」に胸が痛む。
アギレラにとっては自分の命より、生涯をかけた「ギフの花嫁になる」夢より、ギフの復活の方が重い。
典型的な自己犠牲だが、人生の目的を失った者の自暴自棄でもある。
フリオも、「アギレラがそう望むなら」と抵抗をやめてしまう。
アギレラの幸せを思い、気持ちを尊重するあまり、強引に救い出すことができない。
誰々のため、と思うことの弱さ。
一方、工藤に「少しは人の気持ちがわかるようになったか? エゴイストくん」と問われた一輝は、今度は自分なりの答えを持っていた。
まだ明快ではないし、お節介のせいで他者を傷つける可能性も理解している。
その上で、「俺の戦いで誰かが傷ついても俺は全てを背負う」と宣言した。
正直、何でもかんでもひとりで背負い込もうとする一輝は見ていて不安だ。しかし、自分のマイナス面を認識し、受け入れる覚悟が今の一輝には必要ではないか。
つまり、エゴの自覚。
「自分の認めがたい側面」を象徴する悪魔・バイスが一輝のエゴを積極的に肯定するのは、一輝の自己受容を促すためだと感じる。
今回はヒロミの宣言も最高に熱い。
「俺は降参しない! 無理もする。それが俺の性だ!」
ヒロミは自分が無理する性格なのも、仇討ちに駆られているのも、それがエゴでしかないのもちゃんとわかっている。
そして、そんな自分を正しく受容できている。
彼は、一輝が向き合う課題を先に乗り越えた人生の先輩であり、人格的に完成されたヒーローなのだ。
ヒーローの概念、門田ヒロミのためにあるのか? と思ってしまうくらい格好良かった。
でもめちゃめちゃ死の匂いがする!
確固たる信念があるだけに、守るべき物のためならヒロミはきっと命を擲ってしまう……
生きてほしい……
余談だが、カメレオンの「降参したほうが身のためじゃないのか?」という言動も面白い。
これまでの関係性あってこその台詞だった。
「弱いお前では俺に敵わないから降参しろ」なら単にムカつく煽りだが、「傷んだ体で無理するな降参しろ」はヒロミをちょっと心配している可能性があるので……。
別に情が湧いたわけでもなかろう。
だが身を削って戦うヒロミをそばで見続け、若林になりすまして上司として振る舞ううちに、ヒロミの体を慮る言動が染み付いたのかもしれない。
いきなりフルパワー
デッドマンズベース急浮上、13話で登場したばかりのバリッドレックスがまさかの10体同時召喚、巨大宇宙船大爆発。
クライマックス並みの火力と怒涛の展開に驚いた。
こんなにいきなりフルパワーなことある!?
まだ中盤でデッドマンズの基地が壊滅したことで、今後の展開が全く読めなくなった。
もしかして自分が知らないだけで、仮面ライダーではこういうのあるあるなのか……?