大富豪の一族が次々犠牲になるミステリと、相続税
時々ありません?
大富豪の一族が遺産相続争いの果て、ひとりずつ犠牲になっていって、「犯人はこの中にいる……!」ってなるタイプのミステリ。
パッと思い付く有名なのでいうと、『犬神家の一族』とか。『うみねこのなく頃に』とか。
あれ、相続税どうなってるんでしょうね?
だいたいああいうので話題になる一族、資産のたんまりある大富豪が多いし。*1
相続税の税率って、けっこう高いイメージがあるし。
例えば、資産100億円くらい持ってる大富豪のおじいさんが死ぬとするやん?
この遺産を妻と息子3人で分けるとき、だいたい半分くらい相続税で持っていかれるやん?
次に大富豪の妻が殺されて、妻が相続した遺産を息子3人で分けるときも、やっぱり半分くらい相続税で持っていかれそうやん?
今度は優しかった三男(独身で子供はいない)が凶刃に倒れ、その遺産を兄弟2人で分けた結果もちろん相続税が発生しそうやん?
さらに次男夫妻が犠牲になり、その子供たちに遺産が受け継がれ……
もうこの頃にはおじいさんの遺産、2割くらいになってるのとちゃうか?
一族連続殺人ミステリの犯人、いったいどうやって税金対策してるんでしょう。
だってああいうミステリってだいたい遺産目当てで犯行におよぶわけで、だとしたらちょっとでも多く財産を受けとりたいはず。
ましてや肉親を手にかけてまでやるのだから、相当お金がほしいはず。
ちょっとでも多く財産を受けとれる=ちょっとでも相続税を減らせる方法を、必死に考えたりしてるのではないか?
「財産の多い親父から殺したんじゃ、他のやつを殺したときに相続税を二重に取られる。まずは借金がある三男を排除して俺の取り分を増やそう」
「次男夫妻を先にやったんじゃ、その財産は子供たちに行っちまう。罪のない子供に手をかけるしかない」
みたいなこと、けっこう真剣に考えてるんじゃないか?
『よくわかる!かんたんな相続争い』みたいな本読みながら。
むしろ、そういうのをテーマにした、相続税ミステリがあってもいいんじゃないでしょうか。
「財産の少ないやつから殺されている! これはもしや……税金対策!」みたいな。
あったら私は読みたい。
そういうジャンル知ってたらぜったいに教えてください。コメントお待ちしています。
あと、このことについてちょっと国税庁のサイトとか調べたところ、色々なルールや特例があって面白そうだったので、
そのへんをまとめてまた書きたいと思います。
キーワードは「法定相続人」と「相次相続控除」です。
できれば、相続税ミステリを書きたい人(書いてくれる人)が資料として使える、わかりやすいものにしたい。
書きました。
*1:現実にはむしろ財産が少ない場合に相続争いは起こりやすいそうです