蟹を茹でる

カニ @uminosachi_uni の雑記ブログです。好きなもののこと何でも。

カップルで行くディズニーはプリウスといっしょ説

カップルでディズニー行くと別れる問題」ってありますよね。

上記のツイートは大変話題になっていたやつで、8月31日時点で5.1万リツイートされています。


ここでは「カップルでディズニーに行ったけど俺は別れなかった」とか「そもそもディズニーで別れるやつはいずれ別れる」とか「『女が悪い』ってリプを脈絡もなく突然投げつけるそこのお前そういうところだぞ」とかそういう地雷原には触れません。


その代わり、カップルで行くディズニーはプリウスに似ているというお話をします。


そもそもなぜ付き合いたてのカップルはディズニーへ行ってしまうのか

カップルがディズニーに行く理由、いろいろあるでしょうが、定番だからってのが大きいでしょう。
みんな行ってるから、デートといえばの定番スポットだから……という理由で、ディズニーを熟知していないのにディズニーを選んでしまう。
それが、デートでの気まずさや衝突を生んでしまう要因のひとつではないか。


また、ディズニーデートって、実は高難度なのに、一見難易度が低そうに見えるのがトラップだと思う。

たぶんディズニーランドやディズニーシーにあんまり行ったことがないと、この勘違いを起こしやすい。
「買い物デートだと、たくさん話さなくちゃいけなくて間がもたない。それに相手の買い物に付き添うのは手持ち無沙汰で飽きる。それに比べてディズニーはアトラクションに乗ってパレード見とけば盛り上がるし、カップルらしくて雰囲気いいし最適じゃん! きっと喜ぶだろうな~」
みたいに思ってしまう危険性がある。


実は高難易度クエス

しかし、ディズニー好きなら知っているだろうが、ディズニーは楽しいかわりに難易度も高い。
まず、ディズニーでの1日はほぼ待ち時間で構成されている。アトラクションに行列をなす時間、パレードの場所取りをする時間、食事のために並ぶ時間。
その長い時間を、1対1で、気まずくならないように埋める必要があるのだ。お互い無言で別のことしててもオッケーな信頼関係があるならまだしも、付き合いたてとなると、会話で間をつなぐスキルとサービス精神と相性が必要となる。
(もちろんガチ勢ならファストパスを最大限活用して、予定をがっちり組んで目的を絞ったうえで臨むだろう。けどカップルのふたりがたまたま両方ディズニーガチ勢という確率はそんなに高くないはず。)

しかも高度な連携が必要だ。列に並んでる間に次に行くアトラクションを相談するとか、1人がレジに並んで注文してるあいだにもう1人は席を確保するとか、自分はマップを見て相手にはイベント情報を見てもらいながら段取りを組むとか。

これは例えて言えば、いきなり2人きりでIKEAのでかい棚をDIYするようなものだ。考えてみてほしい。絶対ごちゃごちゃしてお互いが邪魔しあったりしちゃうし、手際良い側はのろいほうに腹を立てるし、最後のほうは疲れてしゃべる気力もなくなる。


だからこそ、カップルでディズニーに行くと別れるというジンクスができたのではないか。*1


難易度が低そうで高いという罠

この、安易で楽そうに見えるのに実は難しい、というポイントが曲者。
だからこそ、新兵が過酷な最前線にぶちこまれるような事態が起きてしまう。


実はたぶんこれと同様の事態が起きた結果、不名誉な噂をたてられている車が存在する。
プリウスである。

プリウス、「事故ってる車はだいたいプリウス」だの「対向車がプリウスなら身構えろ」だの、危険な車という悪評を着せられている。

私はこれも、プリウス難易度が低そうで高い性質のためではないかと考える。


プリウスハイブリッドカーなので圧倒的に燃費が良い。しかも電気で発進し、ブレーキや下り坂で充電できる性質上、こまめに信号で止まる都会走行向きの車である。
……という特長が積極的にアピールされるため、プリウスのイメージは「環境にやさしい、街中でちょこちょこ運転する人向きのシティカー」だ。
しかも流線型でスタイリッシュ、内装も都会派でここちよい。CMも都会的な感じである。


実はでかい車、プリウス

と、イメージだけでとらえると、燃費を気にする人や街中でちょっと車に乗る人にもおすすめの、万人向けの車という感じに見える。
なんだか、「運転をそんなにしない私にも向いてそうな車」に思えてきませんか。

しかしプリウス、実のところ3ナンバーである。
すなわち、車体がでかいのである。
エンジンもそこそこでかいのである。
ある程度、馬力のある車・でかい車を乗りこなせる人でないと身に余るのだ。

あと、都会的でスタイリッシュゆえに、ギアがちょっと個性的らしい。慣れてないと操作を間違えるやつである。

それが、他の3ナンバーをすすめられたならきっと「いやいやこんな大きな車は自分では持て余しますよ」
と自分の力量をわきまえて答えるはずの利用者層までが、ハイブリッドシティカーのイメージに引きずられて、
プリウスなら自分にも合ってるかも!」と思ってしまうのではないか。

IKEADIYだったら自分たちには無理だとわかるのに、ディズニーならイケると思ってしまうのと同じ原理である。


ゆえに、本来はでかい車を操る自信のない人までがプリウスを選び、
結果的に内輪差を見極めきれずに脱輪したり、車幅がわかっていなくて擦ったり、バックとエンジンブレーキのギアを入れ間違えたりするのではないか。
「私は猫。この穴の幅ならくぐれる」と思っている大型犬みたいなものである。だいたい鼻先を壁に突っ込んで大惨事になってしまう。

悪いことは言わない。
運転それほど得意じゃないけどハイブリッドなシティカーを買いたいなら、せめてプリウスの妹、アクアにしておきましょう。
アクアなら3ナンバーじゃないから。どちらかといえば小さめな普通自動車だから。


カップルが別れプリウスが事故るもうひとつの理由

ディズニーに行くとカップルが別れ、事故ってる車が大体プリウスなのには、もうひとつ理由が考えられる。

それは、単純に数が多いからだ。

東京の人口は1200万人だから、およそ10人に1人は東京に住んでいることになる。関東の人口を合わせたらもっとだろう。そのうちカップルでディズニーに行った人だけを絞り込んでも、相当数いるだろう。
しかもディズニーは言わずと知れた定番人気スポットだから、関東以外からもたくさんのカップルが訪れると考えられる。
それだけカップルが来れば、そりゃあ別れるカップルだってたくさんいるはず。そして、別れたカップルだけが目立つのではないだろうか。

プリウスもそう。
販売台数日本1になったこともあるし、1年で10万台とか20万台とか売れるような大人気の車なのだ。
世の中の車に占めるプリウスの割合が大きいのだから、事故車に占めるプリウスの割合だって大きいのが当たり前のはずだ。


というわけで、実はディズニーへ行くカップルも、プリウスも、本当は全然悪くなくて、ただ数が多いから目につくだけかもしれない。
そのこともちゃんと提示しておこうと思います。


あとこれは個人的な根拠のない推測だけど、ああいう噂がはやるのは、ネットの「ぐぬぬリア充め」的な雰囲気も関係ある気がします。
ディズニーに来てるカップルはラブラブで幸せだし、プリウスを買えるような人はだいたいそこそこお金を持っているから……。

*1:しかもミッキーやドナルドはそこらのホモサピエンスの何倍もかっこよくてかわいいし、デイジー様の大人のお姉さま感はすごい